数珠は仏教の法具として身につけるものですが、ひとことに仏教といっても様々な宗派があり、宗派によって選ぶべき数珠の種類は違ってきます。
数珠には大まかに2種類に分けられ、正式数珠と略式数珠があります。
正式数珠は二つの輪っかがあり、それぞれ108個の珠で構成されています。この108という数字は人間がもつ煩悩の数といわれ、珠一つずつが煩悩を司る仏様であり、人間のもつ全ての煩悩を数珠が引き受けてくれると言われています。
また、その下に弟子珠や露珠、浄明珠などがあり、それぞれに仏陀の教えに倣った意味が込められています。
一方、略式数珠に関しては輪っかは一つだけとなっており、珠の数も108個とは限りません。
正式数珠の下の部分、弟子珠や露珠等にあたる部分も房に置き換えられており、シンプルな構造となっています。
宗派によって選び方が変わる数珠
数珠を選ぶ時は、自分の属する仏教の宗派に合わせて選ばなければなりません。
日蓮宗の場合、略式数珠(片手数珠)は使えず、必ず正式数珠を用いる必要があります。
真言宗の場合、反対に略式数珠か、あるいは尺二~尺三の振分数珠を選んでください。
浄土真宗の場合、これといった決まりがあるわけではありませんが、略式数珠を選ぶ場合は房が「打紐」タイプのものを選ぶのが一般的となっています。
他にも様々な宗派がありますが、広く用いられるのは略式数珠になります。
ただし、自分の宗派についてあまり詳しくないという方は、正式数珠を用いるのが無難でしょう。
最近は数珠に対する考え方が大らかになり、ある程度チョイスを間違えても咎められることはありませんが、これを知っていると周りから一目置かれる存在になるかもしれません。
しっかりと自分の宗派の理解を深め、そして最適な数珠を選ぶよう心がけましょう!