数珠を購入する際に知っておくべきことについて

数珠とひとことに言っても今は様々なタイプの数珠がありますし、オシャレアイテムとして腕輪タイプの数珠もたくさん市場に出回っているので、正しく選んで正しく使わないと思わぬ失敗を招くことがあります。
数珠のタイプは様々ですが、それぞれ使用用途が異なり、そして保管方法や扱い方も変わってくるのでしっかり考えて選ぶようにしましょう。

今回は、数珠を使う上で知っておきたい基本的な予備知識をご紹介します。

腕輪数珠は葬儀には使えない?

数珠を二つの使用用途に分けると、「冠婚葬祭用」と「オシャレ用」があります。葬儀や法事の時に数珠を持っていくことは皆さんご存知かと思いますが、オシャレ用の腕輪タイプの数珠は冠婚葬祭には利用できません。
オシャレ用の数珠はあくまで「お守り」として用いられるアクセサリーなので、死者を悼む念珠としての役割は果たせないのです。

その逆のパターン、葬儀用の数珠をオシャレアイテムとして身につけるのも、まずあり得ないとは思いますがやめておきましょう。

腕輪タイプの数珠は利き手の「逆」につける

腕輪タイプの数珠を身につける時、基本的に右利きの方は左腕に、左利きの方は右腕につけます。「汚れのない手」=「普段使わない手」に数珠を身につけるという考え方が一般的です。

冠婚葬祭用の数珠(念珠)はプレゼントにもなる?

地域によっては、「数珠は人からもらうものではない」、「数珠は自分で買うものではない」といった対極の考え方がある場合がありますが、基本的には自分で買っても、人からもらっても全く問題ありません。
結婚のお祝いとして贈るのもよし、京都のお土産として買っていくのもよし、どんどん人に贈ってあげましょう!

数珠は法具ではなく宝飾品として愛用されることがあります

数珠は仏教の法具として主に葬儀や法事で用いられるものですが、最近は宝飾品としてオシャレに利用されるシーンも増えてきました。
宗教にまつわる法具なので雑な扱い方は避けた方がいいですが、きちんと管理ができれば、立派なアクセサリーとして有効活用できます。

それにならって、様々なタイプの数珠が数珠店で売り出されており、また街中のスーパーや百貨店でも陳列されるようになりました。
男性も女性も、分け隔てなく身につけられる宝飾品としての数珠について、今回タイプ別に分けてご紹介したいと思います。

多種多様なタイプの数珠

最近は数珠をブレスレットとして身につける方が増えています。数珠には「厄除け」「魔除け」の意味もあり、無病息災の願いをこめてつけることもあるので、是非一つはアクセサリーとして持っておきたいところですね。

「数珠を身につけて歩くなんてジジくさい!」というのは古い考えです。今は若い女性でも数珠をつけて街を歩いている人は珍しくないですから。
数珠を専門に扱うお店でも、カラーバリエーション豊かな数珠が売り出されており、デザインも多種多様です。

中には透明感のある宝石のような数珠もありますし、肌に優しい素材の数珠もあるので色々探してみてくださいね!

また数珠は腕輪タイプのものだけではなく、ストラップタイプのものもあります。
携帯電話やカバンにさりげなくぶら下げているとオシャレ度がアップしますよ!
「数珠」という言葉の響きからは想像もできないほど、煌びやかで鮮やかな数珠がたくさん世の中に出回っているので、まずは数珠の専門店でリサーチしてみましょう。

数珠を選ぶ時は、自分の属する宗派に注意しましょう!

数珠は仏教の法具として身につけるものですが、ひとことに仏教といっても様々な宗派があり、宗派によって選ぶべき数珠の種類は違ってきます。
数珠には大まかに2種類に分けられ、正式数珠と略式数珠があります。

正式数珠は二つの輪っかがあり、それぞれ108個の珠で構成されています。この108という数字は人間がもつ煩悩の数といわれ、珠一つずつが煩悩を司る仏様であり、人間のもつ全ての煩悩を数珠が引き受けてくれると言われています。
また、その下に弟子珠や露珠、浄明珠などがあり、それぞれに仏陀の教えに倣った意味が込められています。

一方、略式数珠に関しては輪っかは一つだけとなっており、珠の数も108個とは限りません。
正式数珠の下の部分、弟子珠や露珠等にあたる部分も房に置き換えられており、シンプルな構造となっています。

宗派によって選び方が変わる数珠

数珠を選ぶ時は、自分の属する仏教の宗派に合わせて選ばなければなりません。
日蓮宗の場合、略式数珠(片手数珠)は使えず、必ず正式数珠を用いる必要があります。
真言宗の場合、反対に略式数珠か、あるいは尺二~尺三の振分数珠を選んでください。
浄土真宗の場合、これといった決まりがあるわけではありませんが、略式数珠を選ぶ場合は房が「打紐」タイプのものを選ぶのが一般的となっています。

他にも様々な宗派がありますが、広く用いられるのは略式数珠になります。
ただし、自分の宗派についてあまり詳しくないという方は、正式数珠を用いるのが無難でしょう。

最近は数珠に対する考え方が大らかになり、ある程度チョイスを間違えても咎められることはありませんが、これを知っていると周りから一目置かれる存在になるかもしれません。
しっかりと自分の宗派の理解を深め、そして最適な数珠を選ぶよう心がけましょう!